横尾八幡城|八幡城址:群馬県中之条町横尾

古文書『八幡山番帳』には、ここ八幡山城に常駐した真田勢兵士名と

武器名が記されている。狩野又左衛門はじめ鉄砲が15名、他兵士は弓や槍

の武装をしていた。一番、二番の名で、二班の交代制で各32名が記され

ている(書籍『真田忍者の末裔』より)。決して大勢力でなかった真田氏が早い

時期に、国人衆ながら鉄砲を前線に配備していたことが窺い知れる。

 八幡山城は尻高三河守の築城とされ、天正十六年四月(1588)には『八幡

山番帳』に記されたように真田方の城となり、上野へ侵攻してきた北条軍を

抑えていた。天正十七年十二月、北条氏邦が白井城より八幡山城を攻めたが、

真田方は防戦し、北条軍を退けた。横尾八幡城とも呼ばれ、主郭は、台形に

近い四方形で高さ3、4mの土塁で囲まれる。城址は、国道145号線の横尾

交差点から県道231号線に入り、北東方向へ約1km進んだ地にある。